IEC 61800-5-2規格(欧州ではEN 61800-5-2)は、「可変速電動パワー・ドライブ・システム」の機能安全要件を取り扱っています。国際規格シリーズEN / IEC 61800のパート5-2は、安全機能を搭載する電動ドライブシステムの製品規格です。パート5-2は機能安全の観点から、安全ドライブの開発に関する要件を規定しています。
製造業者は、規範となる規則を実装し、それに適合することによって、設備や機械に包括規格EN / IEC 61508 (電気・電子システムの機能安全の包括規格)、EN / IEC 62061 (機械制御システムの機能安全)およびEN ISO 13849 (機械安全))の仕様に適合する安全ドライブを組み込むことができます。
EN 61800-5-2は、安全機能を停止機能と、安全モーション機能や安全ブレーキ機能などの、その他の安全機能に分割しています。
軸の安全を考慮する場合、予期しない軸の起動を防止したり、危険が発生した場合、動作中の軸を安全にシャットダウンすることが重要です。EN / IEC 61800-5-2は、EN / IEC 60204-1の3つの停止カテゴリ(カテゴリ0、1、2)に対応する3つの停止機能を定義しています。
EN / IEC 60204-1 | EN / IEC 61800-5-2 |
停止カテゴリ 0 | 安全トルクオフ STO |
停止カテゴリ 1 | 安全停止 1 SS1 |
停止カテゴリ 2 | 安全停止 2 SS2 |
安全機能が故障や制限値の違反を特定すると、定義された応答機能が始動する必要があります。EN / IEC 61800-5-2は頻繁に速度制限や位置制限について言及しています。これは、制限値の違反があった場合、応答反応としてモータの停止を始動することによって達成できます。個々の軸のみで制限値違反が報告された場合、直接シャットダウンし、上位の安全コントローラが軸のシステム全体のブレーキング調整を行うアプリケーションもあります。外部の監視装置も同様に制限値違反のみを報告することが可能です。安全なシャットダウン手段を併用することで、規格の安全機能の要件を満たすことができます。ピルツのPMCprotego DSを使用して、ドライブ内蔵モーション監視ソリューションを実装できます。
停止機能に加えて、IEC 61800-5-2は、運転中のリスクを低減するための「安全モーション機能」も説明しています。安全監視機能は追加の安全機能とみなされます。監視機能は標準的なモーション機能に基づいています。制限値が設定されたパラメータが制限値を超えると報告されますが、エラー応答機能はトリガされません。
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