IEC62061/EN IEC62061は、IEC61508のセクタ-規格です。この規格では、機械の安全関連電気制御システムの実装について説明し、コンセプト段階から廃棄までの全体的なライフサイクルを確認します。
IEC 62061最新版は、2021年に発行されました。この最新版は、先行規格の単なる更新版ではありません。まず、今までのように電気システムに限らず、油圧、空圧システムなど、あらゆる種類の技術に適用可能です。
IEC 62061に適合する機能安全
IEC62061/EN IEC62061は、IEC61508のセクタ-規格です。この規格では、機械の安全関連電気制御システムの実装について説明し、コンセプト段階から廃棄までの全体的なライフサイクルを確認します。
IEC 62061最新版は、2021年に発行されました。この最新版は、先行規格の単なる更新版ではありません。まず、今までのように電気システムに限らず、油圧、空圧システムなど、あらゆる種類の技術に適用可能です。
2022年4月、IEC 62061がEUの官報に、整合規格EN IEC 62061として、同一の内容で発行されました。その結果、EU域内で適合性の推定が公式に発生します。製造業者はEU規格の規定を順守すれば、機械指令の安全衛生要件を満たしているとみなすことができます。適合性評価手順で、適合宣言書を発行し、CEマークを自社の機械設備に貼付することができます。
旧バージョンのEN 62061:2005の適合性の推定は、遅くとも2023年10月11日に失効します。この移行期間を過ぎると、新しい適合宣言書は、EN IEC 62061: 2021に基づいてのみ発行できます。
欧州委員会はEUのウェブサイトで、新しい整合規格を 2022年4月付けのCID 2022/ 621で公表しました。2022年5月現在、欧州委員会によって非公式な「サマリーリスト」としては発行されていません。
IEC 62061 / EN IEC 62061の重要な変更点:
IEC 62061には、安全関連制御システムに求められる信頼性の度合いについて記載されています。その際、評価は、マトリクスと定量的アプローチを組み合わせたハイブリッド方式に基づいています。また、構造および統計に基づく安全機能の妥当性確認についても言及しています。
ENEN 13849-1の目的は、リスクを低減する安全対策の適合性を確立することです。この規格においても、大量の計算が必要です。
安全制御システムを必要とする各リスクについて評価し、制御システムに依存するリスクの低減(SIL)を定義する必要があります。安全機能に関連するリスクは、IEC 62061に基づいて評価し、以下のパラメータを考慮します:
影響 | 重篤度 (Se) |
---|---|
治癒不可能: 死亡、眼球または上腕の喪失 | 4 |
治癒不可能:手足の骨折、手指の喪失 | 3 |
治癒可能: 医師による治療が必要 | 2 |
治癒可能: 応急処置が必要 | 1 |
暴露の頻度 | 継続時間(Fr) <= 10分 | 継続時間(Fr) > 10分 |
---|---|---|
≥ 1回/時 | 5 | 5 |
< 1回/時 ≥ 1回/日 | 4 | 5 |
< 1回/日 ≥ 1回/2週間 | 3 | 4 |
< 1回/2週間 ≥ 1回/年 | 2 | 3 |
< 1回/年 | 1 | 2 |
発生確率 | 確率(Pr) |
---|---|
非常に高い | 5 |
起こりやすい | 4 |
ときどき | 3 |
まれ | 2 |
無視できる | 1 |
危害を回避または限定できる可能性 | 回避および限定(Av) |
---|---|
不可能 | 5 |
まれに | 3 |
可能 | 1 |
(画像をクリックすると拡張できます。)
例: SEが3、Frが4、Prが5、Avが5の特定の危害の場合、
Cl = Fr + Pr + Av = 4 + 5 + 5 = 14
この計算表を使用すると、SIL 3またはPL eが、この特定の危害を低減するための安全機能に割り当てられます。
各安全機能について、機能を実行するために重要な要素である所謂「サブシステム」を特定する必要があります。選択または設計したこれらのサブシステムが、要求SILレベルと同等かそれ以上の要件を満たさなければなりません。これらのサブシステムを組み合わせる場合も、要求SILを達成する必要があります。
各サブシステムが満たす必要のある要件:
- ハードウェアの安全度要件の構造的制約
- 危険側ランダムハードウェア故障率(PFH)
- システムの安全度要件 (故障防止のための要件およびシステム故障抑制の要件)
制御システムの構造による影響を受けるサブシステムが達成するSILおよび「安全側故障率」(SFF)または診断レベル。
ハードウェア故障耐性
安全側故障率 (SFF) |
ハードウェア故障耐性 HFT 0 |
HFT 1 |
ハードウェア故障耐性 HFT 2 |
---|---|---|---|
< 60 % | 十分に吟味された部品でなければ許可されない | SIL 1 | SIL 2 |
60 % to < 90 % | SIL 1 | SIL 2 | SIL 3 |
90 % to < 99 % | SIL 2 | SIL 3 | SIL 3 |
>= 99 % | SIL 3 | SIL 3 | SIL 3 |
HFT: ハードウェア故障耐性
SFF: 安全側故障率
ハードウェア危険側偶発故障の結果としての安全関連制御機能 (SRCF) の危険側故障率は、安全要件の仕様書に指定された故障閾値と同等またはそれ未満でなくてはなりません。
IEC 62061に適合するSILレベル | 1時間あたりの平均危険側故障率 (PFHD) [1/h] |
---|---|
SIL 3 | >= 10 E-8 to < 10 E-7 |
SIL 2 | >= 10 E-7 to < 10 E-6 |
SIL 1 | >= 10 E-6 to < 10 E-5 |
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