オストフィルダン, 2024/05/16

変革の時代の安全とセキュリティ

トーマス・ピルツ

(実際と異なる場合あり)

ピルツはオートメーション企業です。そして、ピルツの中核能力は安全です。私達の日々のミッションは、世界のデジタル化、つながり、柔軟性、効率、安全、セキュリティを強化することです。私達は、産業界の変革を確実に成功へと導けるように貢献したいと考えています。

一部の産業は、前途にある課題への取り組みにおいて重要な役割を担っているために、この変革による影響を他産業より強く受けています。これらの産業には水素、e-モビリティ、半導体、鉄道技術などが含まれます。

カギとなる水素産業の安全に対するニーズ
水素は高エネルギー密度を有するため、将来のエネルギー担体と考えられています。この急発展に伴い、機能安全と産業サイバーセキュリティの要件も増大しています。その理由は、他の各種燃料と同様、水素も大きな潜在的危険を抱えているためです。そこで、オートメーション産業で吟味され利用可能な安全原理と機能安全を、水素産業にも適用することができます。

安全オートメーション技術は、動圧と温度の監視や、下流構造の負荷制限の安全順守といった従来の安全機能に加え、さらなるタスクを担うことができます。オートメーションによって、必要に応じて安全なデータ交換や、運転状況・診断メッセージの視覚化も確保できます。
フランスでは、オートメーションシステムPSS 4000がすでに、10か所の公共水素補給ステーションで水素補給時の安全確保に貢献しています。お客様である欧州のとある水素補給ステーションメーカでは、熟練の安全エキスパートを求めていました。ピルツは2023年よりこのお客様と提携し、包括的な安全ソリューションを提供しています。このソリューションは同時に水素補給ステーションの経済的な運用も保証するものです。現時点では、この提携を他のプロジェクトにも広げることが計画されています。

e-モビリティ: 安全、効率的な充電システム
オーストリアのMADELAINEプロジェクト(Multi-Adaptive DC Electric Vehicle Charging Infrastructure Network)では、新しいDC充電システムの研究を進めています。その目的は、電気自動車のためのモジュラ式で柔軟な充電インフラを開発することです。例えば公共駐車場などにある充電ステーションで、複数の充電ポイントをさまざまなモードで運用できます。たとえば個別車両は高速充電、その他の車両は低速充電のように、複数形態での稼働が可能になります。直流では、多数の電気自動車の高速充電には、いくつかの充電モジュールがあれば十分です。MADELAINEプロジェクトの成果には、駐車場システムでの効率的なエネルギー使用を強化できる可能性があります。

ここでも、例えば複数の異なる充電電流をそれぞれ正しい充電ポイントに送る際に、ピルツのオートメーションシステムPSS 4000が必要な安全機能の制御で中心的な役割を果たしています。   

半導体産業における専門技術
もう1つの重要な産業は電子産業、特に半導体産業です。ここ数年の部品不足は、グローバル経済におけるプロセッサやその他電子部品の供給の重要性を浮き彫りにしました。
半導体産業には独自の規格があり、その規格において安全は重要な役割を持ちます。これらの規格は、作業者の保護と並んで設備の生産性の確保も目的としています。危険な状況によって機械が停止することは、多くの場合、生産の損失を意味するからです。したがって、安全技術の重要な役割は、危険な状況の発生すらないように、安全機能を監視し診断データを分析するということになります。

ピルツでは、各設備のための適切な安全仕様とコンセプトを特定するという目的のもと、アジア地域の半導体メーカ向けにアドバイスとトレーニングを提供しております。さらに、その実装のためにピルツのインテリジェントセンサがコントローラと組み合わせられ、トータルソリューションの一部として活用されています。

従来の安全対策と並んで、産業サイバーセキュリティもますます重要な役割を担っています。これは、最新の製造設備は高度にネットワーク化・デジタル化されているからです。したがって、不正操作防止対策も重要な役割を担います。不正操作を防止するために、設備にアクセスできる人を正確に管理できることが求めています。ピルツのI.A.M (Identification and Access Management)は、1つのシステムで安全とセキュリティを提供します。ユーザ認証からオペレーティングモードの選択、データおよびネットワークセキュリティからアクセス管理まで、ピルツのI.A.M.ソリューションはアジア、欧州の工場ですでに活用されています。

デジタル化された鉄道の安全
鉄道移動は今後のモビリティ移行のもう1つの基盤です。信号技術のデジタル化とオートメーションは、鉄道インフラで必要なキャパシティ増強のための基本要件です。ピルツは、オープンインタフェースと既成ソリューション、つまり標準化された製品を活用して、従来の自社専用アプリケーションからの脱却を支援します。ピルツの鉄道事業部門は独立組織として2022年に発足し、鉄道に特化したポートフォリオと応用技術の拡充を中心に取り組んでいます。ピルツはすでに欧州のEULYNX規格を含むさまざまな事業者やシステムサプライヤとの緊密な連携を進めています。その目標は、新しいモジュラ式インターロック技術の統一された業界規格を策定し、提供することです。パートナー企業の1つであるドイツのPintsch社は、安全な鉄道インフラのエキスパートです。ピルツはPintsch社と長期的な開発パートナーシップを結んでいます。

ピルツは秋に北欧においてデジタル化プロジェクトを受注しました。鉄道インフラを管轄するスウェーデン運輸局Trafikverketは、スウェーデン国内の鉄道網における通信インフラの最新化をピルツに発注しました。ピルツの鉄道用コントローラをベースとし、データ転送インフラを銅線を使うアナログ技術から、より強力で信頼性に優れたグラスファイバー技術へと置き換えます。将来、鉄道用のインターロック-制御盤間の通信は、安全なリアルタイムイーサネットSafetyNET pベースの革新的な鉄道制御システムを通じて行われるようになります。この通信は、線路の使用状況に関する情報の転送や、信号の制御などに利用できます。
 
最後に、InnoTrans 2024 (国際鉄道技術専門見本市)に関するお知らせです。9月末にベルリンで開催される鉄道業界にとって最も重要なこの見本市において、ピルツは制御システムにおける画期的な新製品を発表いたします。信号技術のデジタル化と標準化をベースとして、今後数年内により安全・経済的な鉄道移動を実現するソリューションを提供します。InnoTransでは、ピルツの新しいモジュラ式制御ソリューションについての詳しい情報をご紹介します。

この記事でお話ししたことは、長年にわたって得たさまざまな産業における機能安全のアプリケーションやソリューションに関する知識の統合に向けてピルツが前進していることを明確に示す例です。

「Pilz - the spirit of safety in digital automation」(ピルツ - デジタルオートメーションにおけるthe spirit of safety)は、現代の課題の持続可能な対応策を構築するために協調して取り組むピルツのお客様への姿勢を表しています。つまり、安全、サプライチェーンにおける持続可能性、機能安全の要件は、今すぐにでも満たすことができるのです。ピルツは現在そして未来の課題に立ち向かえるよう万全の体制を整えており、お客様にもそのお手伝いをいたします。

業務執行社員、トーマス・ピルツ (写真©Pilz GmbH & Co.KG)
業務執行社員、トーマス・ピルツ (写真©Pilz GmbH & Co.KG)

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