欧州機械規則2023/1230は2027年1月20日から適用されます。この規則は、欧州連合官報における公示から20日後の2023年7月19日に全EU加盟国で施行されました。以前は議論が分かれていたポイントについて、より具体的な内容が追加され、明確な基準が示されています。また、産業サイバーセキュリティとデジタル化の重要性の高まりといった新たな要素も盛り込まれています。機械製造業者には、設備と機械に関する新しい安全要件を満たすための以降期間が与えられています。
2027年以降のEU機械規則
機械指令が機械規則に置き換えられると、どのような要件が適用されるのでしょうか?
欧州機械規則について知っておくべき情報
機械規則についてよくある質問(FAQ)
欧州機械規則はなぜ制定され、いつ施行されるのでしょうか。どのような変更があり、機械メーカーにどのような影響を及ぼすのでしょうか。押さえておくべき重要なポイントをご紹介します。
機械規則の正式名称は?
機械規則の正式名称はRegulation (EU) 2023/1230 of the European Parliament and of the Council on machinery (欧州議会および評議会の機械に関する規則(EU) 2023/1230)です。
機械規則の適用が義務化されるまでの間、法的効力を持つのは何でしょうか。
機械指令(2006/42/EC)は、機械指令の現行・最終版です。欧州連合では2009年から適用が義務化されており、機械規則が完全に施行されるまで引き続き適用されます。
それでは、なぜ機械規則が必要なのでしょうか。
オートメーションやエンジニアリングの技術要件は2009年から大きく変化しており、指令の改訂は避けられないものでした。デジタル化、ネットワーク化をはじめ、産業サイバーセキュリティや人工知能(AI)をめぐる新たな課題が、工場の建物にも、その中の設備や機械にも大きな変化をもたらしつつあります。こうした変化に対応するため、技術の発展に適合するように規定が改訂されました。
機械規則の目的は何ですか?
機械規則では、機械指令に由来する仕様の適用によって達成された高水準の安全を維持するとともに、最新の技術に適合させることを目指しています。その目的は人と機械の安全な協調作業を設計すること、そして、欧州における機械安全の基本的かつ必須の要件を標準化し、制度的に保証することです。
欧州機械規則の適用対象とその範囲を教えてください。
新しい規則では、従来どおり欧州連合内で使用される機械および関連製品が対象となりますが、安全コンポーネントとして新たにソフトウェアも含まれるようになりました。
機械規則の適用時期と移行期間を教えてください。
欧州機械規則2023/1230は、2023年6月29にEU官報に公示されました。この機械規則は、2027年1月20日(規則適用の重要な日付)から全EU加盟国において法的拘束力を持ちます。
機械規則には何が記されているのですか?
新たな欧州機械規則(EU)2023/1230には、人工知能などの新技術を含め、機械の安全衛生に関する包括的なルールが定められています。主なポイントは、安全要件、新たな適合性評価手順、市場監視の厳格化です。
機械規則における最も重要な変更と最新の動向について教えてください。
- 検査の必要な機械:
機械指令2006/42/ECの付属書IVに記載されていた検査の必要な機械のリストが付属書Iに「移動」しました。セクションAには、第三者による検査と認証が義務付けられているリスクの高い機械のリストが掲載されています。将来的には、6つの機械カテゴリが検査の対象となります。整合規格を適用しても、検査義務はなくなりません。その背景には現在も進行中の人工知能の発展があります。列挙されている6つの製品グループについて、機械製造業者はこれまでのように整合規格と合わせて自ら適合宣言することができなくなります。代わりに、指定認証機関を関与させる必要があります。
- 大幅な変更
規制の範囲が拡張され、機械類の大幅な変更の定義と、そのような変更の法的な影響が追記されました。機械安全については、機械の大幅な変更を行う場合、または機械にCEマーキングの法規定への適合性に影響する変更を行う場合、適合性評価手順の実施が義務付けられています。大幅な変更が行われた場合、当該オペレータが製造業者となり、それに伴うすべての義務が発生します。
- 安全部品
安全部品の定義として、物理的部品、デジタル部品や混合部品だけでなく、ソフトウェアも追加されました。
- デジタル技術
人工知能、IoT、ロボティクスなど、新しいデジタル技術の登場により、製品安全にとっての新たな課題が生じています。
- 産業サイバーセキュリティ
機械規則では、新たに「破損からの保護」と題したセクションで、機械類のサイバーセキュリティ要件も規定されました。サイバーセキュリティの脅威によって、機械の安全機能が損なわれるようなことがあってはなりません。これらの脅威に対する対策は、機械を市場に投入する者の裁量ではなく、必須の要件として明確に定められました。この点において、製造業者は既存の安全コンセプトを見直すことが求められています。
- デジタル文書
製造業者は取扱説明書などの文書をデジタル形式で提供することが認められています。お客様からの要望がある場合は、製造業者は紙媒体で取扱説明書を提出しなければなりません。EU適合宣言書もデジタル形式で提供可能です。半完成機械類はデジタル形式の組み立て説明書、デジタル形式の組込宣言書とともに納入することができます。
新しい機械規則は、整合規格にとってどのような意味を持つのでしょうか。
現時点では、このプロセスを、既存の機械指令の整合規格と共にどのように運用するのか不明です。現状、これらは再掲する必要があります。直接掲載されている規格だけで750を超えており、数年に及ぶ多大な労力を要することになります。2027年1月20日の欧州機械規則の完全施行までに、関連規格が整合規格として準備されるかどうかは、現時点では不明です。
ピルツが機械規則の導入をサポート
ピルツは、機械メーカーの皆様に向けて、安全分析から検証、CEマーキングまで、機械規則の要件に準拠した機械安全サービスの包括的なパッケージを提供しています。また、ピルツでは新たな規格のセキュリティ要件にも注力しています。これは、産業サイバーセキュリティによって機械の安全が確保されるためであり、ピルツでは産業サイバーセキュリティ関連のトレーニングもサービスパッケージに加えています。
新しい機械規則に関する詳細情報:
電話:
Eメール: techsupport-jp@pilz.com