EN/IEC62061は、IEC61508のセクタ規格です。この規格では、機械の安全関連電気制御システムの実装について説明し、コンセプト段階から廃棄までの全体的なライフサイクルを確認します。
EN 61508と異なり、EN IECは機械指令の整合規格としてEU官報に発行されました。そのため、この規格には適合性の推定効果があります。
EN/IEC 62061に適合する機能安全
EN/IEC62061は、IEC61508のセクタ規格です。この規格では、機械の安全関連電気制御システムの実装について説明し、コンセプト段階から廃棄までの全体的なライフサイクルを確認します。
EN 61508と異なり、EN IECは機械指令の整合規格としてEU官報に発行されました。そのため、この規格には適合性の推定効果があります。
EN 62061では、リスクグラフを使用したリスクアセスメントの問題に対処して、表形式になっています。構造的、統計的手法をもとにした、安全機能の妥当性確認についても対応しています。
EN 13849-1の目的は、リスクを低減する安全対策の適合性を確立することです。この規格においても、大量の計算が必要です。当社のソフトウェアパッケージPAScal Safety Calculatorにより、この作業を大幅に低減できます。無料で計算ツールをダウンロードするか、安全アプリPASmsiをご使用ください。
リスクアセスメントは反復するプロセスです。従ってプロセスを複数回実施する必用がある場合があります。リスクを評価して、制御対策によってリスク低減が必要な各危険源に対するSILを算定する必要があります。
リスクは、以下のポイントを考慮して、EN 62061に従って見積もられます。
重篤度 (Se) の分類
影響 | 重篤度 (Se) |
---|---|
治癒不可: 死亡、眼球または腕の損失 | 4 |
治癒不可: 手足の骨折、手指の切断 | 3 |
治癒可能: 医師による治療が必要 | 2 |
治癒可能: 応急手当が必用 | 1 |
暴露の頻度と時間の分類 (Fr)
暴露の頻度 | 時間 (Fr) > 10 m* |
---|---|
<= 1時間 | 5 |
> 1時間<<= 1日 | 5 |
> 1日<<= 2週間 | 4 |
> 2週間<<= 1年 | 3 |
> 1年 | 2 |
*時間が10分未満の場合、値は次の位まで切り捨て可能。
可能性の分類 (Pr)
発生する可能性 | 確率 (Pr) |
---|---|
非常に高い | 5 |
高い | 4 |
可能性あり | 3 |
あまりない | 2 |
ほとんどない | 1 |
危害を回避または制限する可能性の分類 (Av)
危害の回避または制限の確率 | 回避および制限 (Av) |
---|---|
不可 | 5 |
あまりない | 3 |
高い | 1 |
SIL割り付けマトリクス
SILは以下のテーブルを使用して判定されます。クラス (Cl) の計算式はCl = Fr + Pr + Avです。
重篤度 (Se) |
クラス (Cl) 3 - 4 |
クラス (Cl) 5 - 7 |
クラス (Cl) 8 - 10 |
クラス (Cl) 11 - 13 |
クラス (Cl) 14 - 15 |
---|---|---|---|---|---|
4 | SIL 2 | SIL 2 | SIL 2 | SIL 3 | SIL 3 |
3 | (OM) * | SIL 1 | SIL 2 | SIL 3 | |
2 | (OM) | SIL 1 | SIL 2 | ||
1 | (OM) | SIL 1 |
* AM = その他の対策
関連する安全機能を選択または設計するときは、次の最低要件を満たしている必要があります。
ハードウェアの安全度要件の構成内容
ハードウェアの安全度水準の構造的制約
構造的制約によるSRECS (Safety-Related Electrical Control System=安全関連電気制御システム) によって達成できるSILは、安全機能の実行に関わる任意のシステムのSILCLの最低値と同等またはそれ以下です。制御システムの構造と「安全側故障の割合」 (SFF) がここで重要な役割を果たします。
サブシステムの構造的制約:
安全側故障の割合 (SFF) |
ハードウェア故障耐性 HFT 0 |
ハードウェア故障耐性 HFT 1 |
ハードウェア故障耐性 HFT 2 |
---|---|---|---|
< 60 % | なし | SIL 1 | SIL 2 |
60 %~< 90 % | SIL 1 | SIL 2 | SIL 3 |
90 %~< 99 % | SIL 2 | SIL 3 | SIL 3 |
>= 99 % | SIL 3 | SIL 3 | SIL 3 |
HFT: ハードウェア故障耐性
SFF: 安全側故障の割合
SILCL: SILclaim (サブシステムに主張できる最大のSIL)
ハードウェア危険側偶発故障の結果としての安全関連制御機能 (SRCF) の危険側故障率は、安全要件の仕様書に指定された故障閾値と同等またはそれ未満でなくてはなりません。
EN 62061に準拠するSILレベル | 1時間あたりの危険側故障率平均値(PFHD) [1/h] |
---|---|
SIL 3 | >= 10 E-8 ~ < 10 E-7 |
SIL 2 | >= 10 E-7 ~ < 10 E-6 |
SIL 1 | >= 10 E-6 ~ < 10 E-5 |
当社の無料計算ツール (PAScal) をお試しください。関連する特性値を簡単に決定できます。
EN IEC 61511規格は、プロセス産業における安全システムの最低要件を定義します。ベースはIEC 61508ですが、プロセス産業に合わせて調整されています。
第1部: 枠組み、定義、システム、ハードウェア・ソフトウェア要件
第2部: 第1部適用のガイドライン
第3部: 必要な安全度水準判定のためのガイドライン
安全システムは、長い間プロセス産業の安全機能として使用されてきました。プロセス制御技術を安全機能として効果的に使用するには、特定の最低要件とパフォーマンスレベルを満たすことが必要です。
EN IEC 61511は、ハザードおよびリスク分析の実施を要求しています。安全関連システムの仕様はこの分析から導き出されます。他の安全システムは、安全システムに求められる性能の検証時に、その貢献度のみが考慮されます。安全システムは、安全機能を実行するのに必要なすべての部品とサブシステム (センサからアクチュエータまで) により構成されます。「安全ライフサイクル」および「安全度水準」 (SIL) が、この国際規格適用の基本となります。
この規格で考慮されている安全システムは、電気 (E) /電子 (E) /プログラマブル電子 (PE) 技術に基づいています。ロジック制御システム実装のために他の技術が使用されている場合は、この規格の基本原則を状況に応じて適用する必要があります。この規格では、その設計に採用された技術は何であれ、センサおよびアクチュエータも考慮されています。
IEC 61508の対象内で、IEC 61511規格はプロセス産業に合わせて調整されています。
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